• 神経特異的糖鎖の機能解析
  • グルタミン酸受容と糖鎖
  • ジストログリカン上の糖鎖

背景

私たちの体を構成する生体分子は小さな分子が正しく配列され、その中に情報が蓄えられています。核酸には塩基配列に基づき遺伝情報が蓄えられています。タンパク質にはアミノ酸配列に基づき酵素活性等の機能情報が存在します。糖鎖は核酸、タンパク質と同様にその内部に多くの情報が蓄えられている第3の生命情報鎖であると考えられていますが、その詳細はよくわかっていません。
生体に存在するタンパク質の半数以上が糖鎖修飾を受けています。またタンパク質上に存在する糖鎖は、たとえ同一タンパク質であっても発現している組織や細胞によって異なる構造を持ちます。さらに、同一細胞であっても発生過程や外界からの刺激に応じて同一タンパク質の糖鎖構造が大きく変化することも知られています。このことから、生物はタンパク質だけでなく糖鎖にもその生命情報を書き込み、同一タンパク質に多様な機能を付加していると思われます。従って、この糖鎖に書き込まれた生命情報を読み解き、糖鎖を含めた糖タンパク質としての機能を解析することが、生命現象を総合的に理解するために必要不可欠なことである考えられます。私たちの研究室ではこの糖鎖に内在される生物情報の解読を目指して、上記のテーマを中心に研究を行っています。