Farewell partyの様子 (2023年3月)。
[野中研究室の研究と方針]
「人」が抱える疾患の新規診断、治療法の開発は、分子のメカニズムを個別に扱う従来型の「ヒト」の基礎生命科学を単に延長するだけでは難しくなりつつあります。これからは、診断、治療法を見出すためにはどの様な基礎研究に立ち返るべきか、という逆の視点も持ち、個々の分子メカニズムの情報を、基礎と臨床の垣根を超えて俯瞰的に解釈、実行する能力が求められています。私の研究室では、この様な「ヒト」と「人」を繋ぐ真のトランスレーショナルリサーチを目指して、学生さん達と優れた先端医療科学を実践し、科学の最前線に立つ喜びや、そこから得られた成果を元に世の中に貢献する喜びを共有したいと思います。
[森瀬研究室の研究と方針]
糖鎖はタンパク質や脂質の機能を修飾し、細胞に個性を与えます。その構造は複雑で多様であるものの、1つ1つの糖鎖には重要な生命情報が含まれていると考えられます。我々は特定の糖鎖に着目しながらその機能的役割の解明を目指しつつ、さらに多様な糖鎖構造の発現をコントロールするような技術の開発も進めています。ほかにも糖鎖に関連した興味深いテーマが見つかれば、学生主導的なアイディアで研究を進める環境も提供します。
[中川研究室の研究と方針]
脳の高次機能を担う大脳皮質の神経回路が精確に形成されるためには、胎児期・発達期を通して、神経幹細胞の増殖・分化、神経細胞の産生・移動と形態的・機能的成熟、回路の形成と再編成、といったプロセスが時空間的に制御されて進行する必要があります。私たちは、大脳皮質の発生・発達を制御する分子細胞メカニズムの解明を目指して、マウスをモデル動物として研究を行っています。特に、接着分子複合体や細胞内シグナル伝達経路、微小管、オルガネラといった細胞内装置の役割に興味をもって研究を進めています。これらの細胞内装置を生体内で可視化・操作するツールを開発し、細胞内装置の発達動態や生理機能を理解することを目指しています。また、こうした仕組みの破綻と神経発達障害における細胞病態との関連について、疾患モデルマウスを用いて解析する取り組みも行っています。大脳皮質の発生・発達メカニズムの研究を通して、分子細胞レベルの現象が実際の生体内でどのように働き生体機能の発現に繋がるかを理解し、そうした基礎生物学的知識を基盤として医療科学の発展に貢献できる人材の育成を目指します。
- 2024.12.23
- 野中教授、東助教の研究成果がNat Communに掲載されました。
- 2024.12.5
- 中川准教授の総説がFront Neural Circuitsに掲載されました。
- 2024.10.1
- 中川直樹准教授、東克暁助教が本分野の教員として着任されました。
- 2024.8.21
- 野中教授の研究成果がBioconjug Chemに掲載されました。
- 2024.5.2
- 野中教授の研究成果がACS Chem Biolに掲載されました。