Fpk1/2 kinases regulate cellular sphingoid long-chain base (LCB) abundance and alter cellular resistance to LCB elevation or depletion
MicrobiologyOpen. in press (2014)


この論文では、ISP-1というスフィンゴ脂質生合成阻害剤に対する耐性を示すプロテインキナーゼ欠損株のスクリーニングを出芽酵母細胞を用いて行い、9種のDIR(Deletion-mediated ISP-1 Resistance)プロテインキナーゼを同定しました。 DIRプロテインキナーゼのうちFPK1/2(DIR1/2)はスフィンゴ脂質の一種である長鎖塩基(Long chain base, LCB)の分解経路に関わると共に、ISP-1の細胞内取り込みにも関わるという、2種類の細胞内活性を担っていることが明らかになりました。また、遺伝学的な解析の結果、FPK1/2の機能欠損はヒトのプロテインキナーゼRSK3により補完されることから、RSK3がFPK1/2と同様の細胞内機能を担っていることが示唆されました。 DIRプロテインキナーゼ群は細胞内スフィンゴ脂質と密接に関連するプロテインキナーゼであると考えられ、今回の結果は、未だ不明な点の多い、スフィンゴ脂質による細胞内シグナル伝達経路の制御についてのさらなる解明に繋がると期待されます。